将棋は知育玩具として注目されています。
落ち着いてよく考える子になる。知力と潜在能力を伸ばす。礼儀と伝統を学ぶ。将棋を通じて友人ができる。
これらは将棋のメリットとしてよく知られています。
それだけではありません。思いやりや感情コントロールを育てることもできます。
なぜ将棋が思いやりを育てるか
将棋は人と対戦するゲームです。
お互いが知力の限りを尽くして戦う。そしてその場で勝敗の結果がでます。
このとき、勝ったからと言って「有頂天」になることはできません。敗者が目の前にいるからです。
勝者である自分とは、まったく逆の状態に置かれた他者が目の前にいます。
勝ったときに、敗者のことを思いやって、抑制の効いた態度をとるのが将棋の作法です。
このように将棋によって、自分とは違う感情を他者がもっていることを学び、他者への思いやりを育てていくのです。
なぜ将棋によって感情コントロールが身に付くのか
将棋で負けたときには悔しいものです。
子供はどうしても敗北を認めることができず、「投了します」「負けました」という言葉が出てこないことがあります。
悔し涙を見せる子もいます。
しかし、将棋においては、必ず自分から「負けました」と投了することがルールとなっています。どちらかが敗北を宣言するまで、ゲームが終わらないのです。
敗北を認めること。現実を受け入れること。悔しい感情を自分の中で処理すること。
一つ一つの対局で敗北しても、それを乗り越えること。目の前の勝者と、変わらず友人でいること。
将棋によって、子どもたちは人生の深淵を学ぶことになります。
本将棋の前に類似ゲームから
3歳~5歳くらいの子にとっては、本将棋はいささかハードルが高いかも知れません。
駒はすべて漢字で、動きをすべて覚えなくてはならないからです。
そこで、将棋を簡略化したゲームをお勧めします。
どうぶつ将棋
3歳くらいのお子さんには、どうぶつ将棋からはじめてはいかがでしょうか。
たった4つの駒を使ったゲームです。動物キャラの駒なので馴染みやすいです。
これ以上ないほど将棋をシンプルにしていますが、意外なほど頭を使うゲームです。
9マス将棋
将棋をパズル化したゲーム。
たった9マスで、両者が3つの駒を使います。
初期配置は40通り。3つの駒は、初期配置によって変わってきます。
すぐに勝負がつくし、それでいて奥の深いゲームになっています。
子どもさんにとっては、駒の動きを覚える練習にもなります。
5五将棋
5五将棋は、6つの駒を使ったミニ将棋です。
将棋を少し簡略化したミニ将棋といえば、この5五将棋です。
ルールは基本的に将棋と同じです。短時間で勝負がつくので人気です。
本将棋を子どもに教えるなら
5歳以上になったら、そろそろ本将棋を覚えてもいいかも知れません。
子どもの適性によるので、将棋を始める年齢は様々です。
プロ棋士の中にも、小学生なってから将棋をはじめた人もいます。
子どもさんが興味を示したら本将棋を教えてあげてください。
初心者用の将棋
くもん出版が出している「NEW スタディ将棋」。
1つ1つの駒に「動き方」が書いてあります。
将棋をはじめるハードルとなっている「駒の動き」がすぐにわかれば、将棋の世界にすんなり入ることができます。
スタンダードな将棋盤
3千円くらいで買える将棋セットです。
子どもが最初にやるなら、それほど高価な道具である必要はありません。続けるとは限らないので。
しかし、プラスチックのような超廉価品ではなく、木の手触りは知ってほしい。「木製」であってこそ将棋です。
廉価な木製将棋セットで、本将棋を親子ではじめてはいかがでしょうか。
ニンテンドー3DSの将棋ソフト
将棋は対局相手が必要です。しかし、そうそう自分のレベルに合った対局相手がいるとは限りません。
今の時代、将棋ソフトがあります。自在にレベルを変えながら、何度でも対局できます。結果として、驚異的なスピードで将棋が上達します。
ソフトを使って腕を磨いておけば、将棋の世界はさらに広がっていきます。