矢倉戦法のおすすめ本

将棋の矢倉のおすすめ書籍をご紹介しています。将棋の純文学とされる矢倉戦法を深く理解することができます。

矢倉の急所 (森内俊之)

難解な矢倉の変化を明晰にまとめています。

第1巻は現代矢倉の主流である▲4六銀・3七桂型、第2巻は柔軟な変化に特徴のある加藤流がテーマ。2013年に「竜王」「名人」という頂点に返り咲いた森内さんは矢倉のスペシャリストでもあり、本書は渾身の矢倉研究となっています。

最新理論を学びたい有段者におすすめでで、最難関の矢倉定跡本といえるでしょう。

変わりゆく現代将棋 (羽生善治)

1997年以降の「将棋世界」の連載をまとめた書籍で、現代矢倉の序盤から終盤まであらゆる変化を羽生さんが考察した内容です。

下巻では、過去の矢倉から進化していくプロセスも解説されています。連載時から15年以上経ていますが、矢倉は古い定跡(3七銀戦法)が生き残っていることもあり、矢倉研究に欠かせない一冊になっています。

現代矢倉の思想 (森下卓)

かつて矢倉定跡を席巻した「森下システム」の森下卓さんによる著書。

「思想」では3七銀戦法、「闘い」では4六銀戦法を解説しています。細かい手順に拘泥することなく、あくまでシンプルに本筋を説明しているため、難解な矢倉定跡書の中でも親しみやすい良書に仕上がっています。矢倉定跡本の中でもっとも易しいので、級位者は本書から読まれることをおすすめします。

森下卓の矢倉をマスター (NHK将棋シリーズ)も矢倉の考え方をやさしく解説したもので、おすすめです。細かい定跡の変化ではなく、矢倉戦法の「思想」を伝えるものです。

木村の矢倉 (木村一基)

2008年末から2011年末まで「将棋世界」で連載された「これで矢倉は指せる」を書籍化したもの。

矢倉に特有なのは膨大な序盤の変化ですが、あらゆる戦形をとりあげています。森下本より難しく、森内本より易しいレベルで、広範囲の将棋ファンに有用です。執筆した時期も近年なので、最新の争点も踏まえています。

対急戦矢倉必勝ガイド (金井恒太)

将棋ファンのあいだで評価の高い1冊。後手の急戦矢倉にたいする先手の対策を解説したもの。

矢倉定跡を勉強したばかりのアマチュアは後手の急戦矢倉に敗れることが非常に多いため、本書は棋力向上に直結する内容に仕上がっています。

他の定跡書は総花的なものが多いので、本書のようにテーマが明確な棋書が増えることを願っています。